石原内科クリニック

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日本人の四大疾病

日本人の四大疾病MEDICAL

皆様に長寿で健康な生活を過ごしていただくためには、可能な限り病気にならない事が大事です。そこで、先ず日本人の亡くなる病気について説明します。
図1に、平成27年度の日本人の主な死因を示します。
1番は「悪性新生物(がん)」、2番の「心疾患」と4番の「脳血管障害」は動脈硬化による高血圧が主な原因です。3番の「肺炎」は、肺炎球菌などの細菌性肺炎とインフルエンザウイルスなどによるウイルス性肺炎が原因です。

主な死因別死亡数の割合

厚生労働省「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」

日本人のがんでは男女とも肺がん死が一番多いMEDICAL

次に、悪性新生物の多い順番を図2に示します。
男女ともに、1番が「肺がん」です。次いで「胃・大腸がん」、「肝臓・胆管・すい臓がん」が男女ともに多いがんです。

肺がんを患った男性の80%は喫煙歴がありますが、女性は20%しか喫煙歴がありません。肺がんの原因は喫煙だけでなく、大気汚染や女性ホルモン(エストロゲン)が関与しているとも言われています。ですから、喫煙しない方でも肺がんの検査はお受けになる必要があります。

悪性新生物の部位別死亡比率(男性)

悪性新生物の部位別死亡比率(女性)

厚生労働省「平成27年人口動態統計」による

次に、これらの病気の早期発見・治療と予防について簡単に述べたいと思います。
死因1番のがんの早期発見には、胸部レントゲン・内視鏡・CT・MRI・超音波エコー・腫瘍マーカーなどの定期的検査(ドック)が大事です。がんの発症予防には、がんに対する免疫力を下げない事、上げる事が重要です。健康な状態で体内にがん細胞が発生すると血液中のリンパ球(Natural Killer細胞、キラーT細胞)ががん細胞を見つけて消滅させます。ところが、ストレスやプレッシャー、睡眠不足などにより不健康な状態が長く続くと「がん免疫力」が低下し、がん細胞が増殖してがん細胞の集団ができてしまします。ですから、がんの発病を抑えるためには、不健康な状態を健康に戻す必要があります。

死因2番と4番の動脈硬化の早期発見は、動脈硬化の程度を測定します。次にその原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病、各種ホルモンについて調べます。血液中の脂質(LDLコレステロール、中性脂肪)、血糖値が高い方には先ず食事・運動療法をお薦めしますが、動脈硬化が強く血圧が高い方には薬物療法も併用します。

死因3番の肺炎ですが、免疫力の低い小児や高齢の方にはインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンをお薦めします。ストレスや過労、睡眠不足などによっても免疫力は低下しますので、若くて多忙な方でも油断はできません。